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監修:岩垂純一診療所

痔と間違えやすい病気

トイレ中の男性

おしりの周辺には、痔と似た症状の病気があります。誤った自己判断をしないためにも、痔と間違えやすい病気の特徴を知っておきましょう。

直腸脱

排便で、いきんだときなど腹圧が直腸にかかったときに直腸が肛門から脱出しまう病気です。直腸の粘膜だけが脱出する 「不完 全直腸脱」と直腸の壁全体が脱出する「完全直腸脱」 があります。
痔核の脱出である脱肛と混同されがちですが、痔核と違い、静脈叢が膨らんでいないのが特徴です。高齢者や出産経験者に多く見られます。

肛門そうよう

肛門とその周辺が痒くなる病気です。原因には、痔の疾患があり、分泌物で肛門の周囲が刺激されたり肛門の周囲が凸凹しているために排便後にきれいにできず皮膚炎や湿疹の原因となり、かゆみが現れます。
そのほかに、糖尿病、黄疸、ホルモンの低下などで、ゆみが現れることがあります。それぞれの原因にあわせた対処が必要です。

毛巣瘻

毛深い若い男性に多く現れるもので、肛門と尾骨の間の皮膚の下に袋状のしこりが生じ、その中に多数の毛髪が含まれています。腫れが生じ化膿すると膿の管を作ります。
痔瘻と間違えやすい病気で手術が必要となります。

膿皮症

肛門の周囲から臀部、大腿部の後ろまでの広範囲にわたって痔瘻とよく似た膿の管を浅い部分に作ります。痔瘻を合併していたりする事もあり、手術が必要となる病気です。

大腸がん

結腸や直腸のがんです。肛門からの出血や血便がある点で内痔核と間違えやすい病気です。痔の出血は鮮血で大腸がんの出血は黒ずんでいると言われますが、そうとは限りません。はじめての出血の場合や出血が続く場合は、一度は専門医に相談してください。

大腸ポリープ

大腸の粘膜 (腸の壁の一番内側)から、隆起しているものすべてを ポリープと呼んでいます。大腸ポリープ (直腸ポリープも含みます) にはいろいろな種類があり、放っておくと、がんになりやすい性質のポリープもあります 。 また、がんをその一部に持ったポリープもあります。
大腸の検査でポリープが見つかった場合には原則として切除することになっています。切除といっても開腹手術をするわけではなく、検査で使用する大腸内視鏡によるポリクトミーで、ごく簡単に行えます。
なお大腸ポリープの症状としては肛門からの出血があげられますが、何も症状が現れ

ないケースも多く、検査で偶然発見されるということも少なくありません。

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ここでとりあげた以外にも、痔と似た症状の病気は数多くあります。まだ専門医を受診していない場合は、まず受診してください。また、過去に受診したことがある方も同様です。一度痔と診断されたからといって、今回の症状も痔とは限りません。

ご注意:このページは一般的な知識や治療方法などをご紹介したもので、医療機関により大きな違いがあります。 肛門は大変複雑で繊細な部位ですので、信頼できる医療機関をご受診ください。

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監修者のご紹介

岩垂純一

医学博士 岩垂 純一

社会保険中央病院時代に研鑽した豊富な経験をベースに、どんな重症の痔も日帰り手術で苦痛なく根治治療を目指す自身の診療所を、東京銀座に開設(高度な技術の為自由診療となっております)。
詳細なプロフィールはこちら:https://www.iwadare.jp/info/prof.html

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